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東京下町の汚いアパートに越してきた
ＯＬ・理恵子（長谷椿）。
借金取りと辛い思い出から逃れるために。
ひっそりと、誰にも関わらずに、人生を
やりなおそう。
そう思っていた・・・。

しかし、ここ春美荘の住人達は
近所でも有名な変人ばかりだった。
いきなり幽霊と間違えられ
騒動に巻き込まれる理恵子。

押入れの中には、隣の部屋に住む売れない
芸人コンビ専行（菅野孝光）と光（菅原日向）が。
ここをベッド代わりにしていたらしい。
いまだ夢の中にいる専行。目を剥いて。

すっかり理恵子を「悪霊」だと勘違いした
住人が退治にやってくる。
なぜかギターを片手に仁王立ちの女。
あっけにとられる理恵子。
理恵子を大家だと思い込み話をややこしくする専行と光。

錯綜する勘違い。
さんざんドタバタした末に、除霊の札は
専行のおでこに・・・。

屋根の上に
サボテンとテキーラの瓶で作った家に
住む男・セニョール八木（中田豪一）。
悪霊の話を聞いて駆けつけるが
何をするでもなく、奇声をあげて驚いている。

詩人志望の浪人生・八郎（今井清光）。
が、根っからの理系人間のため
志望の文学部には七浪中・・・。
意味不明の詩を詠んでは悦に入っている。

くま好きのホステス・瞳（青木絵美）。
底抜けの天真爛漫さでどんなことでも楽しくしてしまう。
店が変わるたびに増えていった名前はもはや数え切れない。

そんな彼女の本名を聞くのはタブー。
「本名は何ていうの？　本名の方がわかりやすい」
理恵子の何気ないひとことで
悲嘆に暮れ、号泣する一同。
「瞳！　あたしの名前は瞳！」
涙ながらに語る瞳。
「よく言った！　だから、もう泣くな！」
理恵子「・・・・・・なんで？」

ロック上等！柏木和代（岡戸三樹）。
常にギターをかき鳴らし
邪魔する奴にはアイアンクロー。
熱いあついロック魂を抱いている。
煮物を作らせたら右に出るものはいない。

セニョにとって、サルサソースは親愛の証。
されるがままに受け取る理恵子。
いらないのに。
それより、早く出ていってほしいのに。

出稼ぎのタクシードライバー
不二木直人（川端賢志）。
お笑い好きの娘のために
チケットやグッズを買いに都内を走る。
しかし家族からは相手にされない。
「ドライヴィング・テクニックだけは
誰にも負けねえ！」
本当に「だけ」。

そんな直人は水を飲む。
必ず自分が話している最中に。
動くに動けない一同。
呆れる理恵子。
部屋の人数はどんどん増えていく。

なんだかとてもいい表情の専行。
真剣に何かを見ている。

専行の相方・光。ツッコミ担当。
天才的にほんわかムードを醸し出す。
何を言っても怒られないキャラを武器にちょっとどうかと思うことも平気で言う。
専行と一緒に売れるのが夢。

越してきたばかりの自分の部屋に
次々と変人やガラクタが集まり理恵子はもはや爆発寸前。
「いいから早く出ていってーッ！」

最後の住人・留美（穂科エミ）。
瞳と同じ部屋に住むチーママだ。
酔うと人格が崩壊する。
専行「目ぇ合わせるな、目ぇ合わせるな」
和代「殺されっぞ、今度は殺されっぞ！」
八郎「酔ってないときは魅力的なのに・・・」

「とにかく静かに！」
どこまでも住人のペースに押されされるがままになってしまう理恵子。
「わかりました・・・。
皆さん何がしたいんですか！？」

住人達がこの部屋に集まった理由。
それは専行と光のコンビ「光ビーム特攻隊」の新ネタ披露だった。
特に直人は彼らの大ファン。大はしゃぎ。
それっぽいポーズの後にやったネタは・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
とてもここに書けるものではない。

しかし、得意になって夢を語り出す二人。
前代未聞の「武道館単独お笑いライブ」や「おしゃれカンケイ」に出演するところまで決まっているというライフプラン。
呆れるやら感心するやらの住人達。

とても相手にする気になれず
なんとなく手が痒い理恵子。
畳が付いたのか。
現実を押し返す住人達に
次第に苛々がつのってくる。

興味の中心は理恵子に。
引越の理由を詮索され、心の壁が厚くなる。
「関係ないでしょ！」
「うーんミステリーだねぇ」
「・・・聞いてる？　聞いてくれてる？」

そこへ現われた、見るからに謎の男（雅憐）。
雷鳴と共に
「この部屋は悪魔に取り憑かれている！」
と高らかに言い放つ。
雷鳴と共に。
春美荘に一瞬だけ訪れた真の恐怖である。

悪夢にうなされた理恵子が起きようとすると
布団の反対側から男が。
神出鬼没である。

男は黒魔術師のダミアンと名乗る。
彼が言うには、理恵子の越してきた部屋には
「とても神秘的な力をもつ何か」が
隠されているらしい。
八郎はポエジーな感じにすっかり心酔する。
・・・ポエジー？

そして突然のダンスシーン。
右から三人目は
出勤の支度をして変身完了の留美。
「わーい、今日も化けましたねえ」
と言った八郎には頭突きが。

「はっ！？　何これ！？」
理恵子、翻弄の極致。
一人だけ照明の外に追い遣られる理恵子（右）。

理恵子は長年同棲した恋人にフラれ
その後、結婚詐欺に遭い
やけになって多額の借金を作ったのだった。
住人達に悪態をつき
逆に愛想を尽かされてしまう。
留美との会話を経て
理恵子が春美荘の住人になる物語。

事態は急転直下を迎える。
春美荘は、実は宇宙船だったのだ。
いや、だったのだ。
そして、セニョの正体は宇宙人だったのだ。
だから、だったのだ。
あれよあれよという間に宇宙へと旅立つ住人達。
オンボロアパート、浮上す。

宇宙船春美号の様子。
ダメ人間の住人たちが昇天する物語。

集合写真。